「ねぇ、未来ぅ明日から期末があるー 助けてよー」

 私、四本 桜(よつもと さくら)は、親友の桂木 未来(かつらぎ みく)に

半泣きになりながら、すがり付いた。

「ハイハイ、頑張って」

「未来酷いよ!!!」

 未来は学年で、一、二を争う秀才なんだ。

 ちなみに私は、バカです…

「あんたの隣の席の、赭為?くんに教えてもらえば。

確か、私と一、二を争っているの、赭為くんだったと思うけど」

 赭為くん? あの地味な子かな?

「赭為くんって眼鏡で地味~な感じで、前髪がだら~ってなってて、暗

い子?」

「そうそう。 教え方上手いみたいよ」

 未来と張り合うなんて、凄い…

 赭為くんは、前髪が目にかかって、眼鏡をしていて、マスクで、顔を隠す

ようにしている。 いわゆる地味子だ。

 赭為くんに聞いてみようかな?

「赭為くん!」

「え、僕?」

「うん、ちょっとお願いがあるんだけど…いいかな?」

「う、うん。僕に出来ることなら」

 意外と優しいな

「勉強を教えてほしいんだけど…」

「えっ…」

「やっぱりダメだよね…」

「あ、いや、い、いいよ…」

「えっいいの? ありがとう!」

「いや、うん。」

 こうして私は、赭為 賢馬(しゃため けんま)に勉強を教えてもらうこと

になりました。