-Side MIHO-




高校に入学して。

やっとバイトができるようになった。


ずっとこの年になるのを待っていた。

だって、自分でお金を稼げるんだもん。

そしたら、好きなだけマンガが買える。


あたしの高校生活はバイトに捧げようと決めていた。

だから恋愛なんてこれっぽっちも興味がなかったし、自分には縁のない話だと思っていた。


高校に入学して仲良くなったユウは幼なじみのトシくんのことが好きなはずなのに、その気持ちに気付いてなくて。

そのうちに直斗先輩に告白されて。

直斗先輩には悪いけど、トシくんへの気持ちに気付くきっかけになればいいと思ってユウに付き合うように進めた。

でも、ユウはトシくんへの気持ちに気付くどころか、どんどん直斗先輩に惹かれていっている。


そんな姿を見ていたら「好き」ってなんなんだろう、と思ってしまう。



初めての彼氏、それも相手は中学から憧れていた直斗先輩。

そのことに浮かれているだけなのかもしれない。

でもユウは本当に幸せそうで。


…少しうらやましいと思ったのが本心。


だけど、恋愛に興味なかったし、

そんなことよりバイトのほうが大事で。

そう思ってたのに。


その気持ちは変わらないって思ってたんだけどなあ…