翌日からは高速を使わず、一般道でヒッチハイクしながら、目的地までの道のりを進んだ。

悠が捕まえるドライバーはなぜかみんな良い人で、危ない目にあうことはなかった。

まあ、悪い人はヒッチハイカーなんか乗せてくれないだろうし、危ない目にあったとしても、悠がいれば返り討ちにするだけだったかもしれないけど。

人によってはラーメンをおごってくれたり、途中の温泉に寄ってくれたり、自分の畑の作物を譲ってくれたり……ときには、自分の家に泊めてくれる人までいた。

私たちは農作業や倉庫の仕事など、できることを手伝って恩返しをした。

そうしながら、ゆっくりゆっくり進んだ私たちは、四日かけて秋田県に突入した。


「もしかして、目的地って」

『ようこそ、秋田へ』という大きな看板の前でトラックから降ろしてもらった私は、悠を見上げる。


秋田は、私の実家があった場所だ。

母は私を身ごもって、故郷である青森に帰ってきて、出産・子育てをした。