「ねぇ、紗帆ちゃん。最近どこ行ってるの?」

「え……」


夕飯の後、いつもならすぐさま彼の部屋に行くはずの柿崎さんが、めずらしく部屋の机の上で頬杖をついて私をじっと見た。


「えーと……」


どう説明するべきか言いよどんでいると、


「あ、ごめんね。言いたくなかったらいいんだけど、いっつもののばっかり喋っちゃって、紗帆ちゃん自分のこと話さないから……」

「あ……」

「ちょっとね、寂しいなって」


そんなことを思ってくれてたんだ。

私に興味を持ってくれる人がいたなんて……。