「紗帆ちゃあん……、目赤いよ……」

「柿崎さんも、まぶた腫れてる……」

「そーなの……、ののね、泣くとブスなの、残念女子なの……。冷凍庫からアイスノン借りるね……」


翌日、おはようの代わりに、お互いの顔を見てそんな感想を言い合った。


「……」

「……」


明けない夜はない。なんて、数多く読んできた本たちに、何度使われていたことだろう。

ついさっきベッドに入ったばかりな気がするのに、もう朝になっていた。


「今日……、真夜中くんとの話って……、いつくらいなのかって聞いても……いい?」

「あ、えっとね、放課後……」

「そう……」


何時間も先のことで安心してしまう私は、なんて滑稽なんだろう。