『では、質問をしたいと思います』


「どうぞ〜」





私の目の前にいる男……

学校一の不良で学校一イケメンな


八神 蘭がニコニコと笑い、陽気な声で言った






たまにしか学校に来ない八神くんを撮り続けること一年……


こんな笑顔で私の言葉に返事をする八神くんに私は驚いていた


しかも私の質問に答えてくれるとは……

他の女子が見たら恨まれそうだ……





『では………』





Q1. 神崎 沙耶さんとは、どこで出会ったのですか?





「神崎……?」


『…………八神くんが、サーヤちゃんって言っている人の苗字ですよ…』


「あーあ!サーヤちゃんのことね!」






嘘だろ、この人……

自分が好きな女の苗字も知らないのか……





『…………知らなかったのですね…?』



「うん!
サーヤちゃんは、サーヤちゃんだからさ〜

苗字とか分かんないし
猫に苗字なんていらないでしょう?」



『…………』






猫……?


やはり、噂で聞いたとおり

八神くんは、神崎さんを猫……


つまり、ペットとして付き合っているっていうのは、本当らしいな……






「えっと……なんだっけ?

サーヤちゃんと出会った場所だっけ?」


『そうです』


「出会った場所は……

俺がよく溜まってる空き教室だよ〜


君なら、俺にストーカーまがいのことしてるんだから場所知ってるでしょう〜?」






失礼な!!

ちょっと追いかけて写真を撮ってるだけです!!


変な意味で使うわけではなく

新聞部として、ありがたく使わせてもらってるだけです!!


決して、ストーカーではない!!





「停学が解けて、いつもどおり空き教室に行ったら……

サーヤちゃんが俺の用意したソファで気持ちよく寝てたんだよ〜


寒かったのか、身体を丸めてソファに横になっててさ〜

その姿がまさしく……猫だったんだよ〜」




『ああ……だから、猫というわけですか…』






なるほど……

それで猫というわけか……


何故、猫なのか納得した