ケータイ小説 野いちご

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絶対値のゆくえ

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年が明けて。



引っ越し先になる場所が決まった。


その街には、私の成績でちょうどよい私立の進学校があった。



お父さんは新しい街で、支店長になるらしい。


お母さんは私に気を遣いつつも、そのことを喜んでいた。



パパは仕事で頑張って成果を出したのよ、いずも引っ越しはつらいと思うけど引き続き受験頑張ろう、


とのこと。




最後の3学期が始まる。



先生に、引っ越しと志望校変更のことを報告しに行った。


同時に、このことは絶対に誰にも言わないでください、と必死になって頭を下げた。




「うがー。あと少しなんだよ」



「え……どしたの?」



「合格ライン、安定して超えるには、あと少し点を上げないとなんなくて。

得意の社会か、上がってきた数学のどっちか。他はあんま見込みねーし」



伸びをしながら、横目で私を見る君。


珍しく、その顔からは疲れがにじんでいた。



「大丈夫だよ! よっくん、去年の秋からすごい点数上がったし」



私は君の肩をたたき、笑顔でそう励ました。



君の体がぴくりと反応する。



まだ来年の春は確定していない、この状況。


もちろん、不安は大きいと思う。




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