今日はテスト最終日。

最後の教科は大嫌いな数学。

しかしそれもあと1分で終わる!

5…4…3…2…1…


キーンコーンカーンコーン―


よしぴったり!終わった!

さっさと解答用紙を回収してもらって挨拶して終わり!

テスト期間は半日で学校が終わるからもう今日は帰れる。



「紗菜ー!ラーメン行こっ?」

「私今日、部活って言ったよね?」

ボブの髪をふわりとさせながら、あたしの親友、牧野 紗菜(まきのさな)は振り返った。


「えっ、そうだっけ」

「朝言ったんだけど」

紗菜ははぁ、とため息をつきながら重たそうなベースのケースを背負った。

紗菜はこう見えて(どう見えて?)軽音部でベースをしてるカッコよい女の子なのです。

ベースが何かよくわかってないけどね、あたし。


「今度の土日どっちかでもいい?」

「わかった~、今日は大人しく帰る」

「そうしな。じゃあね、部活行ってきまーす」 

「頑張ってね~!」

紗菜ったら可愛いのに口調イケメンかよ。


イケメンと言えば、あの黒髪さんはもう越してきたのかな。


あれから1週間経ったし工事してる音も聞こえなくなったしそろそろまた会えるかも。


叶音、テンションが上がってきました。


早く帰ろうっと。