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「今なんて言ったか聞いてんのよ」





放課後の教室で向かい合う、私と女子A。
Aの両隣にはBとCも居る。

私はと言うと
腕を組んで往生立ち。

いつもだったら聞き流してる悪口が、何故だか今日は癪(しゃく)に触った。


「えっと...体育館でイチャつくのはどうかと...思うって...」

「誰がいつ!イチャついてたって?」

「...昼休みに櫻井さんと直樹くんが...」

「が、なに」

「...ッ...キスしてたって話、広がってて」

「してないから!」


怯える3人。
私、何をこんなに...イラついてるんだろう。


あの男にプライドをズタズタにされ、心に余裕が無い。全てが滝川のせいだ。
考えれば考える程に鬱憤が溜まっていく。


「さ、櫻井さんは変だよっ!」


居た堪れなくなった1人が口走る。
同時に睨みつけると、ビクッと肩が飛び跳ねた。


「変...?ねぇ、それってさ誰と比較して言ってる訳?」

「...え」

「みんなと同じように滝川を好きになれないから?性格が悪いから?アンタたちみたいに誰かと連んで悪口言わないから?」

「.....ッ」


ふざけんなっつーの。
私からしたらアンタたちの方が変だって。
王子だの悪女だの、光だの闇だの、ゲームかっつーの!




「あらら〜」



緊迫した空気の中で

なんとも呑気な声が響いた。



「うちの彼女さんは気が強いったらないね〜」