曇りガラスからの光だけで、倉庫の中は薄暗い。
それだけでも恐怖を煽るのに、入口は雄太で塞がれて逃げる事が出来ず、更に恐怖を覚えた。

目の前に立つ雄太は、私が知っている雄太ではない。
獣のような、何をしでかすか分からない殺気を持った危険な男。


怖くて身体が震えてしまう。
跳び箱を支えにしてなんとか立って、私は雄太から目を逸らさないようにした。

目を逸らしたら、自分を弱く見せてしまうから。



「こんな所に押し込めて、一体何がしたいのよ・・・!」

声にならない声で、そう切り出した。
雄太は凍るような冷たい瞳で私を見つめている。

私と雄太の距離は徐々に近づいていた。

遠ざけようにも、私に逃げる場所はない。
隙を見せないようにするのが精いっぱいだった。