ケータイ小説 野いちご

暇つぶしに恋はいかが!?

これってデートと呼べるのだろうか

 企画事業部に移ってから、恐ろしく毎日が早く過ぎ去っていく気がする。常に何かの締め切りに追われているからだろうか、あっという間に一週間が終わって、気付けば今週末のチーフと出かける日が近付いてきていた。

 チーフと出かけるってどこに出かけたらいいんだろう? きっと気を利かせて私の好きなところで、なんて言ってくれたんだろうけど、余計に悩んでしまう。先月と今月のタウン誌を食い入るようにして何度も読み直しながら、私は頭を悩ませた。

 こういうのって、普通は告白してきた側の男性が悩むものじゃないの? でもこの間のお店はチーフが選んでくれたわけだし。

 それでも、なんだかんだで色々行き先を考えるのは嫌ではなかった。そして散々悩んだ挙句ふとタウン誌のある記事が目に留まり、水族館に行くことを提案したら意外にもチーフは二つ返事で承諾してくれたのだ。

 そして迎えた当日、この前の食事は仕事帰りだったし、その前の出かけたのは半分仕事だったしで、こうしてお互いにプライベートな時間を割いて、わざわざ待ち合わせをして出かける、俗に言う初デートのはずなのに、私は違う意味で緊張していた。

 チーフと会うのに、この服でよかったんだろうか、水族館でよかったんだろうか。そんなことばっかり考えてたら、遅刻してしまうという失態をおかしてしまったのだ。あまりに張り切った格好をして呆れられても嫌だし、かといってこの前みたいに地味すぎるのもいかがなのもかと。

 悩んだ割に私が選んだ服は、ピンクベージュのティアードスカートに甘さをおさえるためにもトップスはシンプルなシャツを選んでバランスをとってみた。こうして見直してみると、どうしても仕事意識が抜けないことに気付く。一応、アクセサリーを足してみるが、それも随分と控えめだ。

 なんとなく、ワンピースを選ぶことが躊躇われてしまったのは、そういうところなのかもしれない。そもそも、これってデートと呼べるのだろうか。

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