ケータイ小説 野いちご

暇つぶしに恋はいかが!?

半分仕事半分プライベート

「やり直し。これは報告書とは言えない。報告書の意味をちゃんと理解しているのか?」

 やっぱりあれは夢だったに違いない。イベントを無事に終え、役場からおよその参加者数や売り上げなどのデータをもらい報告書作りに励んでいるが、なかなか合格がもらえない。

 一応、先輩たちが作ったものを参考に作成しているんだけど、どこが悪いんだろうか。そんなことを思いながら、突き返された書類を見れば、事細かくチーフからの訂正が入っていた。

 さすがに三回目だからだろうか、これを優しさと思ってしまう自分は、チーフのことをどれだけ冷たい人間だと思っているのか。いや、実際に相変わらず怖いんだけど。

 逆にここまで直してもらったら、次は意地でも通るものにしないと、どんな反応が返ってくるか。恐ろしくなりながらも、気合いを入れてデスクに向かった。

「宮城、お疲れ!」

 昼休みに入り明るく声をかけてくれたのは、間山剛史先輩だ。彼も三宅先輩と七条チーフの同期で、最初はいくら同期とはいえ、あの鬼チーフの下でも変わらぬノリの軽さに驚いたが、そのノリが許されるくらい仕事はばっちり出来る優秀な人だと後から知った。

 髪の毛はワックスで軽くまとめられていて、スーツやネクタイもいつも遊び心が入ったお洒落なものを着こなしている。七条チーフとは見た目も性格も正反対のタイプだが、意外と仲が良いらしい。

「この前のイベントはお手柄だったな」

 間山先輩は笑顔で私の肩を叩いてくる。これが間山先輩ではなかったらセクハラだと騒ぐ女性社員もいるかもしれないが、それを許されてしまうのが間山先輩だ。

「ありがとうございます。でも、あれは住民の皆さんや役場のおかげで」

「またまたー。謙遜しちゃって。あの後、他のとこからも依頼があったんだろ?」

 そうなのだ、霧川村で初開催のイベントは地元の新聞でもそれなりに大きく取り上げられ、記事の書き方の上手さも合わさり、他の市町村から霧川村役場にイベントについての問い合わせがあったそうだ。

 それを受けた本村さんからこちらに話が回ってきて、うちでも是非何かイベントを! という申し出が何件があったらしい。

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