「凌空、おかえりなさーい」


「「「おかえりなさーい!」」」
 


夕食の支度が整いあたしたちは座卓を囲み、隼人のお母さんの合図で、グラスをぶつけて乾杯した。


お父さんたちは、まだ仕事から帰って来ていない。



「いっぱい食べな?今日は凌空のために作ったんだから」



お母さんが、凌空にどんどん料理を進める。


小さいころからずっと一緒なあたしたちは、お母さんたちにとっても自分の息子同然で、いちいち"君"なんてつけない。



「日本食恋しいでしょ?」



お寿司に茶碗蒸しに煮物……テーブルの上には見事なまでに和食がずらりと並んでいた。