【凌空side】



-5years ago-



「ううっ……ぐすっ……ううう~~」



さっきから、結良は泣いてばかりいる。


隼人のヤツは怒って帰っちまうし……。


どっちも想定内っつったら……まあ仕方ねえか……。



今日は中学に入ってはじめての終業式だった。


ブルーな気持ちの成績表も、明日からの夏休みのせいでどこ吹く風。



だけど、俺は……。


無理矢理笑顔を作り、出せない気持ちを精いっぱい隠していた。


『夏祭りの計画立てよー、帰ってきたらうち集合ね!』


なんて結良の誘いに、部活を終えた俺と隼人は結良の部屋に来た。


そこで告げた。


明日、アメリカに発つことを。