柿原は思いのほか楽しんでいるようだ。初めてのデートの俺はどこに行けばいいのか分からなかった。この歳で何人とも付き合ったがデートなんて行ったことがなかったんだ。居酒屋に行ったとき、親友のアタルに相談したら

「あの海東がなー!デートですか!デートですか!」

こいつとは小学校からの腐れ縁でずっと一緒だ。顔もいいため、女遊びは俺以上にヒドイ。貴公子なんて呼ばれてるがどこがだ?会社は課が違うものの一緒の会社。本当にずっと一緒なんだ。だから、俺の貴重な良き理解者であり、親友だ。でも、このバカに聞いた俺が1番のバカだ。

「もういい。帰る。」

「ちょ、ちょ!待てって!ジョーク、ジョーク!真面目に考えるから〜!」

俺はため息をついてもう一度席に座った。

「ん〜、デートねぇ。海遊館なんてどーなの?女の子は喜ぶっしょ!」

海遊館か…。柿原は好きだろうか…?でも他に思い当たらないし…、海遊館にしよう、、

「サンキューな。アタル。お前も遊んでばっかいないでいい奴見つけろよ。」

「ちぇっ。お前だって最近までずっと遊んでたくせによく言うよ〜!たくっ!」

「ふっそうだな。でも、本当に好きな奴が出来たら…、そいつ以外はどれも同じに見えてくるぞ?」

「へいへい、まぁ、デート頑張ってね。」

「おう。必ず成功させてやるよ。」