大神さんに殆ど支えられるようにして、私たちは居酒屋を出た。

 午後は10時を回っている。

 膝に力が入らない私の肩を抱いて、大神リーダーは満悦である。

 ちょっと悔しいが、道行く人に振り返られて、悪い気はしない。

 …この春別れた彼の事を思い出す。そう言えば私、半年ぶりの無沙汰である。 

 例えそれが15分で全てを終える、超省エネ型セックスであっても、当時の私には大切な潤いであったのだ。

「ばかぁ…」

 思わず涙する。

 察した彼は、それを人指し指で優しく拭う。

 私の昂りを冷まさないように、彼は時折耳朶を軽く食んでみたりする。

…ああ、もうどうなっても構わない。滅茶苦茶にされてみたい…



 彼の身体にしなだれかかった、その時だった。

「ちょっと、…ちょっと待ったあ‼」