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1日の授業がすべて終わり、帰るために教科書を机の上に出していると、普段はそれほど使われないスマホがポケットの中で揺れた。



こんな時間に、なんの用?



思い浮かぶのは、あの人しかいない。



───向坂くん。



まさか、お金持ってこいとか万引きしてこいとか、恫喝されるんじゃ……!



恐る恐るスマホをポケットから取り出す。



メールに記されているであろう内容も決まってる。



『俺の言うことはなんでもきけよ』



向坂くんの言葉が、悪の呪文のように思い返される。



なにかの命令に間違いない。



どうか、怖いことが書かれていませんように……!