――――それはいつの事だったのか。
むかしの小さい頃の記憶。
たまに夢に見る、幸せだった時の記憶。


「ねえ、ディル。私あなたの事が好きよ」

「・・・それは嬉しいな。僕もだよ、リリィ」

「私が、大きくなったら結婚してね。約束よ、ね?」

「ああ。わかった。僕もそれまでに君を守れるくらい、立派な男になるよ」

繋がれた小指の温かさは、今でも覚えてる。


それは、もう叶う事のない、約束。