「ナオちゃん何飲む?」




目の前には甘いマスクで私を見つめるチヒロさん




「ビール」




「お前には聞いてないから」




私の声よりも先に答えたキョウヤが気に入らないのか、チヒロさんは冷たくそう言いながらもビールをオシャレなジョッキに入れていく。




何故か今日も私はここにいた。




ほんの数十分前まではいつもどうり自動販売機の横にある小さな花壇で座っていた。




温かいココアを飲みながら流れる人をボーっと見つめていると




「おい、ウロつくなって言ったろ」



低くてどこか呆れたような声が頭上から落ちてきて、少し上を見上げるとそこにいたのはキョウヤ