クリスマスが過ぎ、歳を越し、今日は1月の第3水曜日。同期会の日だ。

 今回は訳があって、いつになく豪華に河豚料理の店に集まっている。持ち回りの幹事は岡野で、欠席者はゼロ。

 訳あって真ん中にふゆみが座り、俺はその隣。今までは俺にくっ付いていた上原は、俺の斜め前で、その隣は田所だ。

 実はこの二人、最近付き合いだしたらしい。漫才のコンビみたいなところもあるが、案外お似合いのカップルじゃないかと思う。

 俺の正面は、今回も速水が座っている。それが多いのは偶然だと思っていたが、実は速水は、俺を近くで観察するのが好きなのだと、ふゆみから教えてもらった。悪趣味なやつだ。

 やはり訳あって、俺の周りだけ重苦しい空気が漂う中、幹事の岡野がみんなに向かって口を開いた。

「これより、業務系3部の同期会、兼、桜井ふゆみさんの送別会を開催いたします」

 そう。今回はふゆみの送別会を兼ねてるんだ。やはりふゆみは会社に辞表を出していて、実は昨日で既に退社している。

 それが、料理が豪華で、ふゆみが真ん中に座る方の訳だ。俺を取り巻く空気が、重たい方のではなく。