ケータイ小説 野いちご

ここにあるもの。

ティッシュ



それは何か拭いたり
それは鼻をかんだり

するものなのに

私が見たそれは
違った使い方をされていた


テーブルの上
ひらりと一枚

見にくいけれど
ヨレヨレな字で

『ありがとう』


目覚めてひとり
隣には冷めた温もり

残されたのは
たった五文字をのせた

ふっと笑えば
その吐息で飛んでいく


一枚のティッシュ


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