ケータイ小説 野いちご

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自殺列車

蝶が誘う

車内は相変わらず暗闇に包まれ、電車も走っている様子はない。


ジッと待つ事数十分ほどで、ついに朋樹が立ち上がった。


一番短期そうな朋樹がイライラした様子を隠す事もなく立ち上がったので、あたし右隣に座っていた澪がビクッと体を震わせた。


「一体いつまでここで待てばいいんだよ!!」


誰ともなく大きな声でそう言う朋樹。


そんなの、こっちが聞きたいよ。


そう思った瞬間「そんなのあたしが聞きたいわよ」と、覚めた口調で愛奈が言った。


愛奈はフンッと鼻を鳴らし、朋樹を見る。


あたしも同じ事を思ったけれど、愛奈はそれを我慢せずに口にする。


朋樹の雰囲気が明らかに悪くなった。


全身からみんなを威嚇するような、トゲトゲしい空気が出ている。

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