────…


「凛音起きろ!もう昼だぞ!」」


「……ん~」


「ったく、いつまで寝る気だよ。早く起きろっつーの!」


「……今日はむりぃ~。優音、なんでそんなに元気なのー……?」


寝たの夜中の三時だよ?


なんでそんなに早く起きれるのか分かんない。

あたしには無理……。



「俺がなんで起きたのか知りたいか?知りたいだろ?知りたいよな!?」


何故かご立腹の優音さん。


身の危険を感じたあたしは腰に巻きついていたタオルケットを素早く手繰り寄せ、頭から被った。


けど、優音の手に掛かればそんなもの無いに等しい。


タオルケットという名の鎧を勢いよく剥ぎ取られたあたしは、いつの間にかベッドに上がっていた優音に右腕を引っ張られていた。


「お前に思いっきり腹蹴られたからだよ!!」


「ちょ、ちょー!痛い痛い痛い!優音、ギブ──!!」


ムサイ様の絞め技、暑苦腕挫十字固めをかけにくる優音に即行ベッドを叩いて白旗を挙げる。



くっそー。

悔しさを感じるがしょうがない。

このままだと腕が折られてしまう。


本当に折られる事はないだろうけど、痛みが半端無いから早めに降参した方がいいだろう。


「優音ギブだって言ってんじゃん!!」


何度もベッドを叩いて降参を示しているのに何故か一向に腕を離そうとしない優音。


「止めて欲しかったら今すぐ起きるな!?」


離すどころか、代わりに超上から目線の言葉を投げ掛けられた。


「お、起きる起きる!起きますから!!」


一瞬ムカッとしたけど、それよりも痛みの方が勝ったから大人しく降参する。