ケータイ小説 野いちご

Ri.Night Ⅳ

63.それぞれの想い


-客観的視点 鳳皇side-


「やっと、だな……」


「……あぁ」



煌の言葉に小さく頷く十夜。


十夜だけではない。


陽、彼方、壱も鳳皇メンバーとはしゃいでいる凛音に目を向けながら頷いた。


全員の口元には満足げな笑みが浮かべられている。



凛音が鳳皇に戻ってきた。


それが十夜達には堪らなく嬉しかった。


あの笑顔が近くで見れる事に悦びを感じ、その想いを隠しきれずにいる。




凛音が突然居なくなったあの日から、鳳皇メンバーの心にはポッカリと穴が空いたような虚無感と、言い様のない寂しさがまとわりついていた。


それは凛音に逢う度色濃くなり、決して消える事はなかった。


どうにかしてあの楽しかった日々を取り戻したかった。


口には出さずともそれは全員が思っていて。


ただ一心に凛音を捜し続けた。




凛音と再会し、真実を聞いた時、鳳皇メンバーは誰一人として何も思わなかった。



“獅鷹総長と兄妹?それがどうした”



思うのは一つの疑問と、



“絶対に取り戻す”



ただそれだけ。


けれど、その想いを無情にも引き裂いていく獅鷹と鳳皇の関係。


逢うたび凛音との距離が遠くなっていく気がするのは気のせいなのだろうか。


誰もがそう思った。


けど、それでも諦める気にはなれなかった。


自分だけではなく、周りの人間も諦める気はないと感じたから。



“取り戻したい”



その想いが鳳皇メンバーの心を突き動かしていた。


< 117/ 476 >