「アオイーっ!ごめんね、奈津から生徒会の仕事手伝えって電話きて、いい感じみたいだったからなんも言わなかったんだけど、ほんとにほんとにごめんねー!」
昇降口で、さっきもらった飴を眺めていたらりっちゃんが息をきらして駆け寄ってきた。
ブレザーのポケットに眺めていたそれを隠すようにしまうが、りっちゃんに隠し事は無理なようで…
「なに隠したの?」
なんて怖いくらいに笑顔で言われたら、なんでもないなんて死んでも言えない。
「さっき、そらくんにもらったの。」
「飴?」
「うん。イチゴ味の。」
「へえーいちご。」
りっちゃんは感心するように飴を眺めている。