あの災難だった初日も、早いものでもう2週間前のこと。



あれから、三つ子くん達に謝ることができたかというと…




「アーオーイ、行くならさっさと行きなさい!」




謝ることは愚か、喋ることすらできていません。




「だってえ」


「だってじゃない!」




三つ子くん達のいる1年3組は、朝でも昼でも放課後でも、人だかりが耐えないのです。


見に来る人がいない日はなく、見に来られているのは他でもない私が用のある三つ子くん。



なにひとつ強いものがない私が、大勢の女性方を押し退けて、一番前に躍り出て三つ子くんと喋るなんて夢の夢のそのまた夢のいやもう夢にすらならないんじゃないかってくらいあるはずのないこと。