( 澪南 side )




「澪、あのさ……」

「あ、香織ー。ごめん、さっきの授業のノート見せてもらってもいい?」



あれから黒川くんにお世話になって教室に戻ってきたのは、次の授業が始まる前の休憩時間。



和に謝らないと。


そう思って戻ってきたというのに、いざ話しかけてきた和を目の前にして、私はさっそく避けてしまった。



私が和を避ける日が来るだなんて。


自分でも信じられないくらいに、今の私は和に合わせる顔がない。



わかってはいるんだ。和は悪くないって。


悪いのは、勝手に叫んで、そして逃げてしまった私の方だって。