最果ての丘に黄金の髪の青年が舞い降りる。






しかし、その瞳はいつもとは違い、怒りに満ちていて、相手を睨み殺すような目つきをしていた。





そういえば、私は、日が沈んでから、今
初めてちゃんとゼロの姿を見た。






青年に戻った彼は、私の知っている“少年”では、すでに、なく。






その表情からは、誰もが恐怖を感じてしまうほどの迫力があった。







ルナータが少し動揺をして言う。






「怒っているな……?
魔力がそう言っている…。」






ゼロは表情を変えずに答える。






「あぁ…。フィオネをさらったお前と
それを防げなかった俺自身にな……。」







どくん、と胸が鳴った。








ゼロが、“本気で”怒っている。







これは、前にも都市で見たことがある。






私が、ガルシアに至近距離で魔法の攻撃を受けそうになった時、ガルシアに向けた表情と同じだ。