僕は中3のセツナ。
受験生で毎日塾に追われる日々。
さすがにもうウンザリだったが、志望校の○○高校はレベルが高く僕の成績では行けるかまだわからなかった。
今日も塾が終わり、真っ暗な道を1人歩いていた。不審者に気をつけろとよく言われるが、こんな都会から離れた田舎町で、誘拐やら通り魔やらが出たことはないだろう。
だから、今日も普段通り家に帰れると思っていた。

「……君がセツナ君だね?」

不意に後ろから聞こえた声に、どうして僕の名を知っているのかと聞く暇もなく、僕は口にハンカチのような物ををあてられて眠るように倒れてしまった。