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晴れ空にビー玉

晴れ空にビー玉


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ピーポーピーポー、いつも他人事のように聞いていた救急車のサイレンが、私の前で止まるのを、私は他人事のように見ていたのを覚えている。



ーーありのままの自分が好きなんて、心の友と書いて心友だって、全部綺麗事だと内心笑っていた。


だってそうじゃない。

「嘘はついてはいけない」?
そんなの、誰でも嘘はつくし、建前だって並べなきゃいけない。そんな世界をつくりあげたのも、それを私達に押し付けたのも全部自分たちのクセに、なんで今更そんな綺麗事復唱しなきゃならないわけ?

ああ吐き気がする。




太くて冷たい縄を首に巻きつけた幼馴染を見て、私は指先を震わせた。



「嘘ばっかじゃないか」




私には、幼馴染がいた。
捻くれ者の私に、いつも笑いかけて、手を引いて、輪の中に連れ出してくれる自慢の幼馴染。
私とは違い、みんなに囲まれ、みんなに慕われ、強く優しく美しく、噓偽りのない純粋な少女だった。

私はそんな彼女にいつもあこがれていた。



でも、年月が過ぎる度、世界が広がる度、彼女は居場所をなくしていった。



「良い子ちゃんぶってうざー」
「ヒーロー気取りかよ」
「いい加減現実見ろって」



醜い言葉に押し潰され、それでも穢れることができない純粋な少女は、自分のの信念を貫き通して、重たい縄を首に巻きつけた。










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