「鷹斗、はい。あ〜ん。」


私が差し出した甘めの卵焼きを口に頬張りながら、鷹斗は満足げに笑う。


今はまったりとしたランチタイム。


月曜の昼休みは私の手作りのお弁当を食べる日だ♪


「愛理もあ〜んして?」


「あ〜ん。」


鷹斗がお返しに口に入れてくれた卵焼きを食べ、


「おいし〜ね。」


鷹斗へとニッコリ笑いかける。


嗚呼、なんて幸せ。


「馬鹿じゃないの。

 自分の作った卵焼きでしょ。」


蚊帳の外な親友の真紀がボソッと呟いた。


「違うもん。

 鷹斗が食べさせてくれたからおいしいんだもん。

 ねぇ?」


「俺は愛理が作ってくれただけで嬉しいよ。」


「鷹斗、大好き。」


お弁当を片手にそのまま鷹斗に抱き着いた。


昼休みに解放されている高いフェンスに囲われた屋上には何人もの生徒達が同じくランチタイムを取っていたけれど。


周りの痛い視線なんて気にしてらんない。


私はそれ位、幸せだった。


.