淵の周りには青龍神社と龍造寺のものと、数人の氏子さんたちがいた。

 祭りそのものは華やかだが、神事自体は朝早く密やかに行われるのが常だった。

 祠の側にしつらえらた祭壇の横に立ち、透子は溜息をもらした。

 ―神事にも出てきやがらないとは、あんにゃろめ。

 つい榊を手に腕を組みかけて、龍也に止められる。

 祭壇の方に正装した公人が近づいてくる。

「遅いのう……」

 呟く公人を、なにが? と見ると、笑って誤魔化された。

 龍神に関する祭りは、青龍神社と龍造寺が合同で執り行うことになっている。

 法衣だが、正装した忠尚も後ろに控えているが、さっきからまったく目を合わさない。

 なんだっての。