涙のお別れから8年
私は帰ってきた


「じゃ、お母さん行ってきます!」


今日から、私は産まれ育った街で学園ライフを過ごす

新しい学校
そこに"郁くん"が居るという情報も掴んだ
後は、彼を探すだけ!


「ちょっ!真妃っ!!」

「え?」


玄関を出た所で、慌てた様子のお父さんに呼び止められる


「どこ行くの?!学校は逆だ!」

「え?そうなの?でも…」


地図を見ながら進んだつもりだったのに
あれ?


「本当…真妃の方向音痴はお母さんそっくりだ…転入初日から遅刻されても困るし送ってあげるよ」


ため息をつきながら、お父さんは車の鍵を取りに家に戻った