朝です
昨日と同じ失敗はしません


「家出たら左だからね?」

「わかってるよ!お父さん心配し過ぎ!」


玄関でお父さんが心配そうにしている
平気だもん!…たぶん


「真妃の方向音痴はお母さん譲りだし…心配するよー…真妃も綾乃も壊滅的に方向音痴なんだもん。お父さん、ヒヤヒヤする」

「大丈夫だってば!少し迷うかもだけど、なんとかなるって!って事で、行ってきまーす」


心配症のお父さんを無視して玄関を出た
そして、左に曲がる

うんうん、順調順調

…ん?いい匂い…
どーやら近所にパン屋さんがある様子

匂いに釣られてフラフラ歩く
が、そこで動きが封じられた


「そっちじゃねぇーよ」

「あ、郁くん!おはよー」


郁くんが私の制服の首根っこを掴んでいた