会社を辞めると宣言したあたしは、翌日から職場へ行くこともなくなった。


朝はのんびり起きて、好きな物を頂く。

眠くなったら寝て、出かけたくなったら出かける。


毎日毎日が日曜日みたいな生活。

やっと重圧と激務から解放されて、極楽ライフを手に入れた。



……あの日、職場でキレたあたしを見かねて、係長は無期限の休職扱いにする…と言ってくれた。



「ストレスが溜まってるんだよね。ゆっくり休んで、元気になったら戻っておいで」


(誰が復帰なんかするか。二度と来ないよ…)


頭の中で呟いてお辞儀をした。

無期限の休暇扱いにしてくれなんて、誰も頼んでなんかいないのに無理矢理そうされる事になった。


でも、あたしは二度と職場の土は踏まない!

介護の仕事も、二度と携わらない!


……そんな覚悟で職場を去った。



「愛理……あんた、仕事場大丈夫なの?誰も資格保持者いないから…って、毎日あれだけ残業続きだったのに…」


母親の愛子が心配する。
自分の名前が皇族のお嬢様と同じだと言って、散々浮かれてた人だ。


「大丈夫!有能な係長様がいらっしゃるから!」


人のプランに文句言える様な人。
同じ資格も持ってるし、これを機会にどんどんそれを活用させていって欲しい。


(あたしはもう資格なんて要らない。更新研修もしなくていい。ホントに疲れた〜〜!)