「一目惚れだったんだ。瑠奈を知って、もっと好きになった。俺と付き合ってほしい」



そんなことから、一週間ほど過ぎた日の放課後



今、瑠奈の目の前には、あの時と同じように顔を真っ赤にした健一がいる


あれから健一とは、何度か一緒に学校に登校したり、お昼を食べたりした



「..瑠奈は、やめたほうがいいよ」


そんな健一を真っ直ぐに見つめ、突き放すようにそう言った


「..俺は、瑠奈がいいんだよ。絶対幸せにするから!」


中々引き下がらない健一




そんな時、またもや見てしまった..




智也と彼女の姿―





「..わかった」



気が付けば、瑠奈は返事をしていた



喜ぶ健一の姿なんか、瑠奈の視界に入っていない



段々と近寄ってくるその姿..





「おっ!健一、うまくいったみたいだな」



笑顔で健一の頭を小突く



照れたように笑う健一




智也は知ってたんだ..





「だいじにしろよ」



「もちろんっすよ!」



二人の会話が頭の上で飛び交う




瑠奈の顔には、何の表情もなかった