sideゆめ



急いで隣のクラスに向かった。



5組の入口に、桃ちゃんが立っている。



桃ちゃんはあたしを見ると、泣きそうになっている。



「どうしたの!?」



駆け寄り、顔をのぞき込んだ。



「紫藤くんと…話せた。嬉しいよぉ…これも、宇佐美さんのおかげ」



俯き、両手を顔にあててシクシクと泣き出してしまった。



「話せてよかったね!!あたしはなにもしてないよ。ゆめちゃんが頑張ったんだよ」



背中に手を置き撫でるようにする。



「おまじないのおかげなの。20分ぐらい前、宇佐美さんが教えてくれたようにしたの。

それで、ハンカチを教室に忘れたことに気づいて戻って来たら、紫藤くんがいて…」



そうだったんだ!?



もう、おまじないは終わってたんだね。