ケータイ小説 野いちご

【完】恋のおまじないNo.1

俺が本当に好きなのはお前

ゆめside



桃ちゃん、どこに行ったの?




紫藤くんと一緒にいたはずなのに、気づけば紫藤くんだけが庭園に戻って来ていた。



本堂に入り、中をくまなく探す。



「桃ちゃーん!」



しばらく進むと、茶室になっている部屋の前で桃ちゃんが佇んでいた。



そこは、ぽっかりと空いた窓から外の景色が眺められるようになっていて…まさに絶景。



色鮮やかな紅葉が、窓から見えていて、まるで素晴らしい絵画を見ているかのよう。



「綺麗~っ。すごいいい場所だね!」



あたしに気づいた桃ちゃんが、振り向く。



その顔は、なんだか元気がなかった。



「桃ちゃん?どうしたの、戻ってこないから心配になってきたんだよ」



「うん…ちょっと、頭冷やしてた」



少し微笑むけれど、その表情はなんだか寂しそう。





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