あたしたちの居るフロアの工事は
今日午前中まで
後は他のフロアに誠は移動する。


これであたしも
少しは気を抜くことができる
昨日一日でも窮屈で仕方なかった。


朝 出勤時 会社の入り口で奥野さんに会った。


「昨日は遅くまで打合せしたの?」
「ううん一時間も無かったかな」


奥野さん昨日は工藤さんとどこへ言ったの?
聞きたいけど聞けるはずもない。


「一時間も無かったのなら
来ればよかったのに」


「えっ?」


「机に書き置きしてただろ?
白樺亭に居るって」


書き置きなんて知らない!
あっ・・・フロアまでは入ったものの
ディスクへ帰ってなかったんだ。


さっそく自分のディスクに行くと
ーーー早く終われば来いよ
白樺亭にみんなで居るから 奥野ーーー
という紙きれを見つけた。


「奥野さーん!これぇ~」


その紙を見せると


「見てなかったのか」


「だって話が終わったらすぐに
帰ったし」


すぐに帰った➡ううん
誠に拉致された。


それなら携帯に知らせてよね!
置き手紙とか昔の世界じゃないんだよ?
あっ・・・
別に来ても来なくても構わないって
事だったわけね
だから手紙にしたんだよね。


でも工藤さんと
二人きりじゃなかったってことね。