想太と可南子は、シスター堀にも挨拶をした。


すると、シスター堀は、


「もう少し、ここで待ってもらえますか?
すぐに帰ってきますから・・・」


そう言って慌てて出て行った。


想太と二人っきりになった可南子は、溢れる涙を止められなかった。


「想ちゃん、ごめんね・・・
私のせいだった・・・

こんな真実が待っているなんて、夢にも思わなかったよ・・・
想ちゃんからの手紙はちゃんとこの場所に届いてたのに・・・

本当にごめんね・・・
ごめん・・・」


可南子は、苦しくて、切なくて、涙が止まらなかった。
あの頃の私達が、不憫で、可哀想で、心が引き裂かれそうだった。
そして、可南子の頭の中には12歳の幼い自分が甦っていた。


そこには、
毎晩、日記のように手紙を書いて、
毎晩、想太の事を想って泣いて、
毎日、手紙が来るのをずっと待っている、

そんな幼い可南子がいた・・・