「もう気は済んだかよ?」


白銀の長髪を後ろで束ねた男性は
煙草を吸いながら、
僕に面倒くさそうに尋ねてきた。
その男の格好は黒色のジャケットに
インナーには豹柄のシャツと
とても、執事とは呼べる者の
格好ではなかった。
そして、僕たちは何処か薄暗いバーで
話をしていた。


「はい。もう大丈夫です。」


「ふぅん。
てゆうか、お前も物好きな奴
だよなぁ。
あんな糞餓鬼のためにここまで
体張るとはね…。
あいつのこと、
そんなに好きになっちゃった?♡」


「…そういうわけではございません。
全ては僕が〝執事〟として
お嬢様の為にやらせていただく
ことです。
決してそのような下劣な動機では
ございません。

貴方にはお分かりいただけないと
思いますけど。」