夏休み目前のとある日。


この暑い時期になんでこんな行事があるのかはわからないけど、クラスのみんなはノリノリだった。


1泊2日のクラス仲を深めるための親睦研修。


バスで山奥にある宿泊施設に行って自炊したり、ハイキングをしたりして仲を深めるらしい。


くだらなさすぎて行きたくなかったけど、この研修に参加しないと夏休みに補習を受けなきゃいけなくなるから嫌々ながらも参加した。



最初は騒がしかったバスの中も、朝が早かったせいか今では寝てる人がほとんど。


あたしは窓辺に頬杖をついて外の景色を眺めていた。



山奥にある施設なだけあって、果てしなく山道が続いている。


しおりの到着時刻は10時半だったから、あと30分弱はこの道が続くというわけか。


バスがあらゆる方向に揺れるたびに、胃からうっと何かが込み上げる。



出来るだけ遠くの方を見るようにしていたけど、あまりにも激しい揺れには効果がなかったみたい。


や、やばい。


これ以上揺れたら……。