「じゃあ、ここが秋奈の部屋ね!」



「…ありがとう、春乃」



「いえいえー!こっちで女の子の友達できたことなかったから、嬉しいだけ!!」





そう言って通された部屋は、私が眠りから覚めた部屋だった。



1人部屋にしては妙に広いし、生活感というものもはっきり言って感じられないけど…



けど、なんか私は気に入った。




「うふふー!やあっと秋が見つかったんだもんなー!

天界に四季が戻る日もそう遠くはないねー!」




るんるんといった様子で言う春乃を、ふと見つめる。



群青色の髪が、私を振り返った時に一緒にくるんと動いた。




「んー?なになに?」



「いやあ…今更なんだけど、

天界から四季が失われたって…何の話?」



「…あー、そうだね…」




…これを聞かなきゃ、私自身なにをすればいいのか分からないのが事実。



未だによく分からない"天界の季節"についての問題を、聞かなきゃいけない…




「このお屋敷はね。

天界でも5本の指に入る程大きいの」




「まあ…アマテラス様がいるぐらいですからね…って、あ」




「また敬語ー!」




あはは、と笑う春乃は、そっと畳に座った。



そして、丸い窓の方を向く。




「アマテラス様は普段ここに住んでいないよ、もちろん。

もっと大きい、天界で1番のお屋敷。


…そのお屋敷には広い広い庭があって、


そこはいつも、四季で彩られていたの」