――ピピピピピピッ。



耳元で、目覚ましが鳴り響く。



まだ眠たい目をこすりながら、弟が起きないうちにそれを止めて、むくりと上体を起こした。




「朝ごはん……作らなきゃ」




だけど、ふと部屋を見渡して驚く。



ここどこ!?




……あっ、そうだ。ワケあり荘か……。




昨日から、ここに住むことになったんだ。すっかり忘れてた。



衝撃的な出来事が続いて、疲れたあたしはいとも簡単に寝ちゃったみたいだ。




とりあえず、ゴミ捨てと朝ごはんとお弁当作らなきゃ。




隣で眠る真守の頭をそっと撫でてみると、ムニャムニャと無防備に口元を緩める。



そんな様子を見て、あたしは今日1日頑張る理由をもらってから起き上がった。