翌日、学校へ向かう途中の道で杏里とバッタリ会った。


「純白!」


あたしの名前を呼び、小走りに駆け寄ってくる杏里。


「おはよう杏里」


「聞いてくれる!?」


挨拶もせずに杏里は目を輝かせる。


なにかいい事があったみたいだ。


「昨日相手の学校に行ったの!」


あぁ、そういえばそうだっけ。


最近颯と監視カメラの事ばかりが気がかりで、友達から聞いた話や授業内容があまり頭に入ってきていないようだ。


「どうだった?」


杏里は目を更に輝かせ、頬をピンク色に染めた。


それだけで結果は理解できたけれど、あたしは杏里の言葉を待った。


「相手の人がね、あたしの事覚えててくれたの! お店ですれ違った時も、気が付いてたんだって」


「そうなんだ、よかったじゃん!」