翌日。


学校が休みだったこの日、あたしは颯とデートの約束をしていた。


あたしは動きやすいズボンとTシャツにブルーのカーディガンを着て、家を出た。


いつものデートよりも少しラフな格好だ。


歩いて数分で約束場所に到着すると、颯は先に来ていた。


「おはよう純白」


颯が無精ヒゲの生えた顔で手を振った。


「おはよう」


デートの時にも見た目を気にしないのは、いつもと変わらないようだ。


「今日はどこに行く?」


そう聞くと、颯がスマホを取り出して時間を確認した。


「昼過ぎに希彩が帰ってくるから、それまでに帰りたいんだけどいいかな?」


そう聞いてきながらも、颯はすでに昼過ぎには帰ると決めているようだ。


あたしは強い口調で言い返しそうになるのをなんとか飲みこんだ。