ケータイ小説 野いちご

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心の中でごめんなさい

ごめんなさい

ある休日、子供と一緒に買い物へ出かけていた。

ある店の出口で子供を待っていると、向こうから見覚えのある人が家族連れで歩いていた。

あれは・・・元彼・・・

ベビーカーを押し笑顔で話ながらこっちへ歩いてきた。

別れてからもう10年以上経っているのにちょっとした思い出が

昔のアルバムを見ているように頭に現れた。

あの人に気づかれませんように・・・そう願っていた。

子供が店の奥から出てきた。

「ママ・・お待たせ!」

「それじゃ・・行こうか・・」

帰ろうと振り返った時、子供の前にがベビーカーが止まった。

「ママ!赤ちゃん!すっごく可愛い!女の子だよ」

「あ・・うん・・可愛いわね・・」

丁度店の前でその出来事は起こってしまった。

彼らの家族もこの店に入る所だった。

その声が聞こえたのか、彼の奥さんが笑顔でお礼を言った。

その赤ちゃんが私達を見て持っていた小さなぬいぐるみを振ってみせた。

その時ふと思ってしまった。

もしかしたら・・・隣は私だったのかもしれない・・・

あの時別れていなかったら・・・

「それじゃあなた・・ここで待ってて・・・」

「ああ・・」

その声にドキッとして思わず顔を上げると、彼と目が合ったが

お互い普通の素振りだった。

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