私の受けた授業は、私が知る機会のなかった常識や、最低限のマナーに至るまで、奴隷には勿体無いのではと思ってしまう程素晴らしいものだった。
この国の簡単な経済事情も、本来の指導範囲に入っていないことも教えてもらえた。実際に指導にあたった先生にも「奴隷如きにしては優秀だ」というお墨付きを貰うことが出来た。そのおかげなのか、販売までの勉強期間が一ヶ月の予定から一週間にまで縮めることが出来た。
 この一週間の間に計算の試験も受けて、商人になっても問題ない程早くそして細かい計算も可能、という結果を貰った。
「お前の才能は、私も目を見張る物がある。お前は村の人間に虐げられていたはずだ。どうやってそこまでの知識をつけた?」
 一週間ぶりに奴隷商人さん呼び出せれて、私がいるには相応しくない豪華な部屋に案内された。机周りに色々な資料が散乱しているから、ここは奴隷商人さんの書斎なのだろう。そして恐らく私のことが書かれているだろう資料を見ながら、言われる。