フィアネside


今日、私には新しい仲間ができた。


少しおっとりとした優しい性格のシオン様と、


少しツンケンしているけれど、根は優しい


シオン様の従者、エーラ。





…麒麟様、聞こえていますか?


わたくし、朱雀は、再びあなたに


巡り会えました。




「フィアネ!」


後ろから名を呼ばれて私ははっと我に返る。


私は、赤い花畑の中央にある祠の前に


立っていた。


呼ばれた声の方を振り返ると、シオン様が


こちらを向いて立っていた。



「怪我の調子はどうだ?」



シオン様は、心配そうに私の包帯を巻かれた腕を見る。



「大丈夫です、これぐらい!」

朱雀の力は万能なわけではなく、自分の怪我


だけは、治すことが出来ないのだ。


「シオン様は怪我の具合はどうですか?」



そう聞くと、シオン様は



「君が治してくれたおかげで私はもう全然元気だ」



と答えてくれた。