「まずは、麒麟と四神の原点となる物語をお話しますね。」



フィアネはそう前置きしてから、語り出した。


今から二千年ほど前、この国に


麒麟という金色の


美しい毛並みを持つ鹿のような獣がいた。




麒麟は、心優しい性格で、足元の虫や植物を


踏むことすら恐れるぐらい、殺生を嫌っていた




その時代、この国では内乱が絶えず


人々は殺しあっていた。




麒麟は同じ人間が殺し合うことの意味が


わからず、人間に化け、なぜ殺し合うのかと


聞いた。



その答えは、人によって様々だった。